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野球殿堂博物館の中国語(繁体字)版館内ガイド作成に携わりました -その4-

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見てきた進行状況

話を伺っていると、棒球社は「結局引き継いでくれる部員が集まらず、活動を休止しました」ということでした。その前から聞いていたのですが、一人いた1年生も引き継ぐ意思は無かったそうで、本当に寂しい限りでした。

続けて、「夏休み中は、自身の研究成果の発表に追われていましたが、それも落ち着き、作業を進めることができます。最初の翻訳原稿をできるだけ早い段階に送信します」と返してくれました。

部員は4人が3年生になり、約5ヶ月後には大学入試の一つにあたる學科能力測驗(以下、學測)が控えているので、心配している旨を伝えたら「私たちが請け負ったものなので、責任を持って最後までやります」という返答があり、待つことにしました。

届いた原稿

それから約1ヶ月後。

8月30日から新学期が始まり、3年生は學測の模試が行われ、本格的な受験の準備に入りました。学校も、新入生がその5日後に自宅マンションの屋上から転落死したニュースが新聞、テレビなどで報じられ、少し落ち着かない感じになりました。

そんな中、部長から翻訳作業の原稿が送信されてきました。
一部のページだけでしたが、中国語でびっしり書かれた原稿が届き、まずは一安心。その後、完成したページの原稿が少しずつ送られてきました。

早速、英語版と日本語の館内ガイドと照らし合わせてみると、「えっ…」と思うものが…

原稿の内容は…

翻訳漏れだけでなく、「英文をそのまま直訳した」とすぐ分かるもので、野球の歴史に関する記述、日本のプロ野球に関する知識が乏しいと一目で分かるものが目立ちました。

原稿の間違いをで直し、説明を加えながら、修正をお願いしました。

學測の日が迫り、受験勉強が忙しくなってきている中、部長らは英語の先生と国語の先生に助言を仰ぎながら、修正作業を進め、修正原稿もその都度送ってくれました。原稿のやり取りはメール、細かい部分の翻訳と認識のすり合わせに関してはLINEと文明の利器を活用しながら進めていきました。

私自身、部長らが受験勉強の時間を犠牲にしている感があったので、一度勉強の状況を確認したことがありますが、その時の返答は、

「私自身英語が苦手で、いい英語の勉強になっています。国語の文章構成力、表現力の向上にもつながっているので、感謝しています」

と、前向きなもので、救われた気持ちになりました。

とはいえ、この時、本格的に翻訳作業に取りかかって2ヶ月以上経過。

その遠因になったのは、翻訳文をスマホかPCの画面だけで確認していたことでした。私はその都度印刷し、赤ペンで直しながら修正依頼をしていきましたが、部長たちは画面のみで行っていたので、漏れや細かい部分の間違いに気づかず、私のところにそのまま原稿が送られてきた格好です。

翻訳作業に時間がかかりすぎていたのと、訪問する観光客の興味などを考慮し、英語版の一部の翻訳を省略することを博物館の方に確認し、許可をいただき、12月末に全原稿の提出となりました。

つづく

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