3月17日 日本をはじめアジア、ヨーロッパの20ヶ国、アメリカのワシントン州、カリフォルニア州、ニューヨーク州をWarning - Level3へ引き上げを発表
中国大陸以外のアジア地域に感染が拡大し、1万人以上が感染し、増加傾向が顕著になってくる中で、多くの国で緊急事態宣言を行い、入国規制と検疫も厳格になっていっているので、アジア、ヨーロッパの20カ国、アメリカのワシントン州、カリフォルニア州、ニューヨーク州をWarning - Level3に行き上げ、最大限の注意を促すことにしました。
これについての根拠は、↓の3月18日付の会見で外交部の吳釗燮部長が日本の記者の質問に答えています。
これによると、
- Level3は東アジア、東南アジア、南アジア全体の感染状況をもとに設定しているのであって、日本を指しているわけではない
- 日本側にも事前に簡単な説明しており、理解を得られているものと信じている
- 外国人に関しての入境制限については、今朝発表したもので全面的な形をとっており、そこには日本も含まれている
- 一連の制限や措置は、「自分たちを守る」という概念のもと行っている
【参考】
毎日新聞の方の質問(要約)は、
・前日のWarning - Level3の措置に関する詳細の確認
・Level3の基準は?
回答(要約)は、
・Level3は東アジア、東南アジア、南アジア全体の感染状況をもとに設定しているのであって、日本を指しているわけではない
— 髙原成龍 (@seiryutakahara) March 18, 2020
ということでした。
その前にも、3月1日の記者会見で、イランをWarning - Level3に引き上げたことを受け、北海道で感染拡大が伝えらえ、この時日本旅行から帰ってきた男性が感染したことが伝えられ、状況が悪くなっていると見られた日本が据え置かれている件について触れられていました。その会見の映像は、↓です。
日本の評価を据え置いた根拠については、上の動画の13:39から話していますが、要約すると
- ここ数日の感染状況は、(日本国内での)措置が強化されたことによって、落ち着いている状況にある
- 日台の往来は大変密接で、(現時点で)対策を特別強化することはないが、日本から帰台時の検疫は強化する
- 帰台後、症状が出た場合は、速やかに病院へ行き、検査を行う
- ツアーの主催者には、そのツアー客の健康管理(全行程マスクの着用、毎日体温を測るなど)を確実に行うよう指導するだけでなく、その責を負うものとする
ということでした。
加えて、会見の後半で用意していた新規感染確認者数の折れ線グラフを出し、「イタリアや韓国と違い、比較的横ばいで、それが長く続いている状態にあり、日本は240症例あるとはいえ、人口を根拠にして考えると、台湾と変わらない状態が続いている」としています。
3月1日前後の日本の動きは、皆さんも記憶があると思いますが、北海道が感染拡大を受け緊急事態宣言を出し、安倍晋三首相も3月2日〜の小学校から高校までの休校を要請しました。
その後、3月17日のWaring - Level3に引き上げの発表まで、日本の状況はいかがでしたか?
もう一つ、3月17日の会見で日本の記者の質問に対し、外交部の吳釗燮部長が「今の質問は大変いいですね」と最初に返していますが、通常、このような返しはなく、すぐ回答に入ります。私も過去に経験がありますが、会見中の台湾人同士のやりとりで、この言葉を聞いたことはありません。私の時は、相手方(弁護士)にとって専門的かつ踏み込んだ返答に少し困るような質問をした時で、その手を緩めさせてやろうというような感じで使っていました。
吳釗燮部長の心の中までは分かりませんが、記者への配慮だけでなく、(発表された措置は日本だけが対象ではないので)日本だけに絞って質問をされたことに何かしらの抵抗感もあったように思われます。
日本の状況と、上記の会見での日本に相関する発言を踏まえて考えると、
「表向き配慮して余計なことを言わないようにしている」
という気がするし、ものすごく気を遣われている感が強い印象を受けます。