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そういえば、どこかで…
*前回
楽しい雰囲気を邪魔する人たちは…
上の写真の李婉鈺氏の陣営が用意した大型街宣用トラック。会場の周辺を巡回し、拡声機を使い、大きい声で吳思瑤立法委員の中傷を始めました。その内容は、大体「大物政治家風吹かせ、選挙区の人たちに大きい態度をとっている」といったものでした。
その後、気になって調べてみたら「一邊一國行動黨」という過去の民進党の流れを汲む人たちによって起こされた政党から立候補していて、吳思瑤立法委員と同じ台北市第一選挙区の候補者だと分かりました。過去の経歴を見てみると…
- 2010年の新北市議会議員選挙の第四区(板橋区)で民進党の公認候補として立候補し、20,961票を集め当選。
- 2014年の新北市議会議員選挙の第四区で無所属で立候補し、15,770票で、一度は落選したものの、現職議員の失職を受け繰り上げ当選。
この時は民進党内での候補者選考の予備選挙で敗れたものの、立候補の意志が固かったことで、民進党を除籍され、無所属で立候補することになったそうです。気になって記事をたどってみたら、お金とお酒に関するトラブル、私生活での問題が複数出てきました。記事の日付を見ても、2010年の選挙で当選後のことだったので、これらが党内の候補者選考に影響を及ぼしたのではないでしょうか。確認は必要ですが、民進党も問題やトラブルが多い人物の公認をためらうのは致し方がないところです。除籍処分の理由は「立候補の意志が固いから」ということですが、実際は候補者選考で落ちたところに、本人が立候補を表明してきたので、それを機に厄介払いをしたようにも見えて仕方がないです。 - 2016年の立法委員選挙で新北市第七選挙区(主に板橋區東部)で無所属で立候補し、8,038票で落選。
この時の民進党の候補者は、2014年の市議会議員選挙で争った羅致政議員。民進党の刺客とその送り込み方には、理解に苦しんだようです。 - 2018年の新北市市議会議員選挙の第四区で無所属で立候補し、9,219票で落選。
民進党の公認があった時の半分以下の得票数になり、8年で貯金の半分を使い切ったような感じになりました。
なぜ、新北市の選挙区の人が台北市の選挙区で立候補したのかは分かりませんが、年齢が吳思瑤立法委員に近く、メディアの露出度が高い吳思瑤立法委員を意識してのことなのかな…という印象です。決めつけは良くないですが、過去にモデル、航空会社のCAなど、華やかで人の目を引く印象がある職業であったところから判断すると、政治家になってからもその時の感覚が抜けないでいるようにも見えました。
ところが…
元民進党で、以前からの流れを汲む政党から立候補していますが、決起集会で2019年8月に台北市の柯文哲市長が立ち上げた台湾民眾党の人物が応援に駆けつけている様子などから判断すると、いつの間にか今の民進党を攻撃する側に回っている感じで、何が目的なのか掴めない感じでした。
【補足】
柯文哲市長は、2014年の台北市長選挙では無所属で立候補したものの、民進党の支援を受け、当選。その後も協力体制を築き、2016年の立法委員選挙では吳思瑤立法委員(当時は台北市議会議員)の応援演説も行うほどでしたが、2018年の選挙前に民進党と距離を置くようになり、独自路線を歩みはじめ、2019年8月には台湾民眾党を立ち上げ、民進党と対立する格好になりました。
2018年の台北市長選挙時は、吳思瑤立法委員は再選を目指す柯文哲市長の姿勢を厳しく批判しましたが、柯文哲市長はじめ台湾民眾党の人たちは、それを「不義理」と捉えているようです。
「民進党と対立する立場」ということで、台湾民眾党と李婉鈺氏は利害が一致した格好だと思いますが、所属政党のカラーから判断すると「節操がない」ように見えました。
李婉鈺氏の「口撃」に対し、吳思瑤立法委員がとった行動は…