学んだこと
他にも、こちらで紹介しましたが、担当の方から伺ったお話はこちらで反映させています。
新型コロナウイルスの感染拡大が開業に大きな影響を与え、今も想定していたような営業ができない状態にあり、ロビーや入口などをじっくり見ているとあちこちに出ていて、「ああ、こういうことなんだ」というのを実感しました。
特にレストランの開業の目処が立っていない(取材時)という話を聞いた時は本当に驚き、その話を本来ならレストランとして使用しているところで聞いていたこともあり、ホテルのみなさんの無念や歯がゆさが伝わってきました。
それでも、前を向き、未来を信じて日々の業務に励まれる姿を見て、「苦しく厳しい状況の中、異国の地で奮闘する日本人の姿を何とかして伝えられないものか」とも思わずにいられませんでした。特にこのニュースが出た時(翌日に撤回されましたが)、在外日本人の過去から現在に至るまでの努力や存在感といったものがあまりにも軽く見られているという印象を受けた後だったので、余計にそう感じました。
その一方で…
私自身、気づかされ、学んだこともありました。
現在、台湾では昨年5月〜7月にかけて感染拡大で停滞した消費を促すために「振興五倍券」という5,000元(約20,642円)分の商品券に相当するものを10月8日から配布し、今年の4月30日まで使えるものがあります。前年の2020年にも、「振興三倍券」という1,000元(約4,128円)払って3000元(約12,385円)分使用できるものを発行していましたが、在台外国人は対象外で受け取れませんでした。
ところが「振興五倍券」は、在台外国人でも永住居留證を取得している人は受け取れるようになったので、永住居留證が立場を分ける境界線になってしまいました。
ホテルの担当の方によると、台湾在住の日本人をはじめ、外国人にこの件に関する話を伺ったところ、以下のようなことが聞かれた、ということでした。
「自分たちは、周りの台湾人と同じように税金、各種保険料も納付し、法令も遵守して生活しているのに、どうして同じ外国人でも、永住居留證の有無で受け取れるか否かの違いが出てくるのか」
これを聞いた時、自分が置かれている立場の違いに初めて気づきました。
2020年時は、台湾でいうところの「本國人(「台湾籍」という意味)」が「受け取れる側」であったので、私は「受け取れない側」だったのですが、2021年時は「受け取れる側」。
自分にとって永住居留證があるのは、取得後当たり前のこと。深く考えることなく、「振興五倍券」の受け取り資格があると分かった後、すぐ近所のコンビニで予約して受け取りましたが、それができない外国人(特に同じ日本人)のことは頭の中に全くありませんでした。
- 今の自分がどのような立場であるか
- 反対の立場にいる人たちがどのような気持ちを抱いているか
- 1年前の自分はどのような気持ちを抱いていたか
ということを気づかせてもらい、教えてもらっただけでなく、自分が恵まれている側にいることを痛感しました。
赤字の言葉を教えてくださった担当の方には、今でも感謝しています。
同時に自分自身も考えも改めるきっかけになりました。